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【好きな人と好きな服を着る話】 『自由な読切』特別インタビュー!中村あいさつ先生に読切制作の裏側を聞いた!

GANMA!では、9月21日より『自由な読切』と称し、20作の読切作品を公開している。その中で公開中である、『好きな人と好きな服を着る話』を制作されている中村あいさつ先生と本作の担当編集であるT本氏に作品に込めた思いを伺った。

作家紹介:中村あいさつ
GANMA!にて『死逢わせサポートセンター 』を連載中。
過去作は『マワルあすたりすく!』など
Twitterアカウント:@n_aisatsu
担当編集:T本
担当作家は中村あいさつ先生・洋介犬先生など

今回紹介する作品はこちら。

好きな人と好きな服を着る話

好きな人と好きな服を着る話_001

隣の部署で人気のイケメン先輩が実は…!?
好きな人と、素敵な秘密の共有。
先輩と私だけの秘密の関係⁉をぜひご覧ください。

『好きな人と好きな服を着る話』 の発想の起点などございましたらお教えください

中村あいさつ先生:
4ページで起承転結があるようなショート作品を描きたい、というところが発想の起点です。
Twitterで公開できるような作品をずっと描きたいと思っていたのですが、連載が忙しくなかなか着手出来ず…。そんな中、今回読切を描かせていただけるというお話があり、「これはいいチャンスだ…!」となり描いたものがこちらでした。

T本:
そうですね。現在連載中の『死逢わせサポートセンター 』の方向性も決まってきたタイミングだったので、ある種息抜きという形であいさつ先生の好きな作品を描いていただいたという側面もあります。ハッピーな話もたまには…といいますか。

中村あいさつ先生:
そうですね…『死逢わせサポートセンター 』は少し暗めなお話なので、たまにはハッピーなものを描きたいな、というところはありましたね(笑)

企画を作るときのエピソードがあれば教えてください。

中村あいさつ先生:
いつもと違うところと言えば、4ページ漫画の基本みたいなものをT本さんに教えていただいて、基本に沿うように作成してみたことですかね。

T本:
4ページ漫画って、キャラを全面に押し出すといった特徴があるんですよね。ストーリーよりキャラ推しといいますか。『死逢わせサポートセンター 』は、どっちかというと物語でじっくり魅せる、といった面が大きいので今回は普段使わないキャラ推しの漫画の見せ方にチャレンジしていただきました。

中村あいさつ先生:
また、普段の打ち合わせでは話さないようなことを話せたのもよかったですね。「どうしたらキュンキュンするのかな?」とか(笑)

T本:
『死逢わせサポートセンター 』の打ち合わせでは絶対使わない単語ですからね。普段「苦しみ」とか「どういう時に人は泣くのか」とか、「彼の人間性は…」とかですからね…。

中村あいさつ先生:
新鮮な感覚でした。少女マンガの打ち合わせ、こんなに楽しいんだ…と思いましたね。

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↑『好きな人と好きな服を着る話』では、担当T本氏とこだわり抜いた
「胸キュンポイント」が散りばめられている

今回の『好きな人と好きな服を着る話』は先生の中で新しいことにチャレンジした作品ということでしょうか?

中村あいさつ先生:
そうですね。4ページ漫画という点もそうですし、内容としても新しいことにチャレンジしていると思います。
『死逢わせサポートセンター 』の前は『マワルあすたりすく! 』という作品を描いていたのですが、どちらもファンタジー要素があるものなので、そういったものが一切ない作品を描いたのは5年ぶりくらいでした。かなり新鮮な気持ちで描いた読切でしたね。

T本:
そういえば、あいさつ先生のGANMA!への応募作にファンタジー要素はなかったですもんね。

中村あいさつ先生:
GANMA!に来るまではファンタジー系の漫画は描いたことがありませんでした(笑)

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↑中村あいさつ先生の過去完結作品『マワルあすたりすく! 』は、空から降ってきた少女「マワル」を中心とする青春ファンタジーラブコメである。

今回の読切には、世間一般的に女性向けとされているラインのお洋服(ロリータ系)を着る男性が登場しますが、どうしてそのようなテーマを選んだのかお教えください。

中村あいさつ先生:
もともと女性向けの服を着る男性に興味があり、3年くらい前にイラストも描いていました。様々な垣根を飛び超えて、好きなことを楽しんでいるんだな、という自由さが魅力的だなと思います。
ですが、彼らのことを考えていく上で、もしかすると不安みたいなものもあるのかな…?などと想像が膨らんでいきました。

今回4ページ漫画を作るにあたって、少女マンガでは王道なテーマである「秘密を共有する」ということを一つのキーにしようと考えた上で、そういった「女装」や世間的に少数派な服装をする「不安」といった秘密を共有する物語にしようと思いました。その上で、絵的にも華やかな「ロリータ」という服装のジャンルを選びました。

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↑絵的な華やかさが満載の本作 主人公の萌と真田先輩の
ロリータの系統の違いにも注目だ。

先輩のキャラクターでこだわった部分はありますか?

中村あいさつ先生:
先輩の一人称です。最近ジェンダーレスや自由さ、そういったものが許容されつつある中で、逆に決めつけを行わないことも大切かなと思っていて。フリルの付いた服を着ている人が「私」と言うと、「心は男の子だけど、フリルを着ることが好き」という人を否定してしまっているような気がして、先輩の一人称は「私」や少し中性的な「僕」ではなくあえて「俺」としました。

また、「女性になりたくて女性ものの服を着ている」というキャラクターにはしていません。あまり型にはめないように、純粋に「服が好き」で着ているというキャラクターとして描いてみました。

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↑真田先輩の一人称。可愛らしい外見と、男性らしい話し方のギャップに
胸キュンが止まらない…。

先生にとって、洋服とはどのようなものでしょうか?

中村あいさつ先生:
普通の日を特別な日に変えてくれるものだと思っています。
私自身、普段はロリータは着ていないのですが、お洋服は大好きで…。なのですが、色々な事情で好きな服が買えない時期がけっこう長かったんです。服を買えるようになって、日常で自分の好きな服を着だしてから、普通に散歩に行ったり、何事もない日が「好きな服を着ている日」という特別な日に変わりました。洋服は、日常に楽しいをプラスしてくれるようなものだと思っています。
それに、「服は自分に身につけて生活できる」のも素敵ですね。例えば絵や美術品は家や場所を彩ってくれますが、一緒に外を歩くことは難しいですよね…。でも服は身につけるものなので、公園でもレストランでも場所を限らず自分を楽しい気持ちにしてくれます。それが他とは少し違う服ならではの魅力だなと思います。

今回の読切を通して、読者に伝えたいことなどございますでしょうか?

中村あいさつ先生:
服装に関して「好きなものを着ていい」「周りの目をあまり気にしなくていい」というところが一番伝えたい部分です。ですが、もう少し広げるなら服だけではなくいろんなことに「好きなことしていいじゃん」「自由でいいじゃん?」という考えを作品を通じて持ってもらえたらなと嬉しいな…と思っています。

T本:
読者の方に、「好き」という気持ちに自身を持ってほしいですね。

中村あいさつ先生:
そうですね。好きなものを話す時に申し訳無さそうに話す方が結構いるような気がして。「実はこれ好きなんだけど…」みたいな感じで。そういった気持ちを持ってしまう方に、この漫画を読んで「自由でいいじゃん!」「人の目なんか気にしなくていいじゃん!」と勇気を与えられたら幸いです。

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↑勇気を与えられるシーン1ページ
好きなものを許容し合える世界観に心が暖かくなる。

連載中の『死逢わせサポートセンター』とはかなり雰囲気の違う作品となっておりますが、作品を作る上で両者で意識した違いやあるいは隠れた共通点などがあればお教えください

中村あいさつ先生:
『死逢わせサポートセンター 』と圧倒的に違うな、と思ったのは「デフォルメキャラが多く描ける」というところですね。『死逢わせサポートセンター 』は難しい話や、命を扱った話が多いので、あまりキャラが3等身になったりしないのですが、『好きな人と好きな服を着る話』ではキャラがたくさん3等身になるんですよね(笑)
それが普段とは違う楽しい部分でした。あとはキャラクターのお洋服にくまのトーンを使ったのも新鮮でしたね。普段の連載では絶対使わないので…。「ああ〜!くまちゃんのトーンが使える〜!」となりました(笑)

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↑問題のくまちゃんのお洋服。とても可愛らしい。

中村あいさつ先生:
あと企画を作るときのエピソードでも少し話したのですが、胸キュンシーンを描くのが楽しかったです。普段は描かないので、「これであってるのかな!?」となってしまったことは少々ありましたが…。

また『死逢わせサポートセンター 』との共通点ですが、人の悩みや苦しさに寄り添えるものがいいな、という気持ちで描いています。好きな服を着る「不安」といった人の感情を描いているところは『死逢わせサポートセンター 』と同じ部分かなと思います。

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↑『好きな人と好きな服を着る話』では、洋服を着る喜びだけでなく、
それに伴う苦痛や悩みも描かれている。

最後に読者へ一言おねがいいたします

中村あいさつ先生:
読んでくださってありがとうございます!
今色々大変な時期なのでGANMA!でたくさん漫画を読んで少しでも楽しい気持ちになってもらえたらなと思います。

T本:
普段『死逢わせサポートセンター 』のファンの方にとっては、またちょっと違った話になるので、そのギャップを楽しんでもらえたらなと思います。他には、ファッションが好きな方やオフィスラブが好きな方にも楽しんでもらえると思うので、ぜひぜひご一読ください!

『好きな人と好きな服を着る話』はこちらからご覧いただけます

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