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【裏GANMA!】子育てと漫画業を両立しての週1連載は可能なのか? 『彼氏がゾンビになりまして』明太子マン先生×編集長特別対談記事

GANMA!

特に女性の漫画家さんならば気になるテーマである「子育て」。
はたして、漫画家業との両立は可能なのでしょうか。
今回は子育てをしながら、『彼氏がゾンビになりまして』をGANMA!で週1連載されている明太子マン先生にお話を伺いました。

明太子マン
GANMA!にて、『彼氏がゾンビになりまして』を連載中。
名前の由来はあだ名から Twitter:@mentaiko_man3
以下、明太子マン先生
前田大輔
GANMA!編集長。以下、前田編集長

【作品紹介】
彼氏がゾンビになりまして

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ゾンビの彼氏と、人間の彼女の終末の世界。
寂しくて奇妙で、でも案外明るい。終わりが決まった空元気ラブコメディ。

前田編集長:
まずはじめに、明太子マン先生のGANMA!の印象や、GANMA!を知ったきっかけをお教えいただけますでしょうか?

明太子マン先生:
私自身、当初はあまりWEBの漫画に詳しくなくて…。
専門学校に通っていた頃に後輩の一人がGANMA!の編集さんに声をかけられたという話を聞いて、初めて知りました。

前田編集長:
以前にもGANMA!を聞かれたことがあったのですね、嬉しいです!

明太子マン先生:
その頃は、漫画家になりたいって気持ちはあったんですけど、 結構ふらついていて。そんなこんなしているうちにコミティア持ち込みでGANMA!の編集さんであるK沢さんと出会いました。
優しく対応していただいたのが印象に残っています。

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当時持っていった読み切り
「僕らはまだまだ未完成」
漫画の登場人物たちの苦悩を描いたラブコメだ。

明太子マン先生:
読者さんから直接コメントをもらうのが好きなので、元々雑誌よりWEBの方が向いていると思っており、そういった点でもGANMA!はピッタリでした。

前田編集長:
確かに、コメントが直接もらえるところはGANMA!のいいところですよね。
僕のGANMA!の好きなポイントは、いろんなジャンルがあるので、いろんな作家さんに描いてもらえる、というところです。
オールジャンルがGANMA!の特色なんですね。

明太子マン先生:
そうですね。オールジャンルという点は、書き手としても読み手としても楽しませていただいています。


『彼氏がゾンビになりまして』 について
読者に愛される主人公2名はどのようにして生まれたのか?

前田編集長:
『彼氏がゾンビになりまして』についてですが、どのようにして企画が進んでいったのかお話をお伺いしたいです。

明太子マン先生:
元々いくつかあった案を編集さんに出しました。
その中に、「もしもオネエがゾンビだったら…」という企画もあり…こちらが『彼氏がゾンビになりまして』の原案です。
ギャップをすごく大切にしていたので、「オネエがゾンビになったら失神しちゃうんじゃないかな?」 というところから発案しました。
編集さんから「これで行きましょう!」と返信が来た時は嬉しかったです。出した企画の中で一番好きなテーマだったので。

前田編集長:
主人公(紅ちゃん)はどのように決まっていったんですか?

明太子マン先生:
あんまり“女の子女の子”してない方が好きだったので、紅ちゃんはそこから考えました。
オネエに寄り添うのが女の子らしいのもちょっとなと思っていて…。
性別も分け隔てなく、ハイテンションでゾンビ系を乗り越えていけるような子がいいと思い、主人公にしました。

前田編集長:
そうだったのですね。
僕、主人公とオネエ(蒼先輩)の関係性がすごくエモくて好きで…。
本編のストーリーが、明るい回も切ない回もあり、ちょっとずつ展開していく様子が大好きです。

明太子マン先生:
ありがとうございます!エモさは大切にしています。

前田編集長:
オネエのキャラデザは、最初から決まっていたのでしょうか?

明太子マン先生:
見た目はほとんど初期設定から変わりないですね。
ちょっと髪のボリュームが変わったくらい。
やっぱり髪の毛は長くて結んでいる三つ編みがいいなと思って…ポンっと決まりました。

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『彼氏がゾンビになりまして』の初期設定イラスト
確かに、蒼先輩の髪型が今より少しボリュームUPしている


前田編集長:
オネエのキャラデザがすごい立っているのと、主人公が能動的なタイプなのがバランス良くていいなといつも思っています。


明太子マン先生:
行動派の主人公と、石橋を叩いて渡る系のオネエですね。
凸凹しているけどベストマッチといったようなカップルが好きなので、私もこの二人は気に入っています。

子育てをしながらの連載について
ポイントは家族の協力!子育てと漫画家業を両立しやすい環境とは

前田編集長:
子育てをしながらの連載って、僕はすごいことだなと思っていて…。
詳しくお教えいただくことはできますでしょうか?

明太子マン先生:
そうですね。毎週なので実はなかなか自分でもすごいな…と思うときがあります。締め切りもギリギリ守っています(笑)

前田編集長:
休載も連載開始から一度もしていらっしゃらないですよね。
本当にすごいことだと思います。原稿の一週間のスケジュールはどんな感じなのでしょうか?

明太子マン先生:
ネームは一日で完成するようにしています。編集さんの力もあり…。
修正は次の日に行うのですが、できそうならその日のうちに修正してしまいます。なのでネーム2日、原稿5日といった配分です。
できそうなら、原稿しながら次のネームをやったりもしています。

前田編集長:
すごくいい配分だと思います。
子育てしながらの執筆というところで、どういったところが大変ですか?

明太子マン先生:
最近子どもに自我が出てきて、めちゃくちゃ集中してペン入れしているときに腕を引っ張られて作画が崩れたりすることはあります。が、そのくらいですかね。
手のかからない子どもというのもあるんですけど、家族の協力も得られているので、私も付きっきりとかではなくて。
軽いiPadで執筆していて(iPadを)膝に抱えながら子どもを目の前で遊ばせて作業したり工夫すれば、そんなに大変だなと思うことはありません。
たまに子どもがものをこぼしちゃったりなどはあるのですが、笑っていられます。
家族と協力して子育てできているというのが大きいと思います。

前田編集長:
なるほど。ご家族の方の協力が重要なのですね。
お子様がいる状態で週間連載をしているのが本当にすごいと思います。
環境がいいんだなと思いながらお伺いさせていただいてます。

明太子マン先生:
確かに環境はすごくいいですね。
家族が見てくれるのも多いですし。母親もお休みの日に「見てあげようか」と言ってくれたりとかもするので。
なので夜は遊んであげたり、全体的にすごい余裕を持って子育てができる環境が整っています。

前田編集長:
ちなみに明太子マン先生自体の睡眠時間はどのような感じなのでしょうか?

明太子マン先生:
夜0時に寝て朝7時に起きてます。徹夜はしない主義です。 徹夜をすると、私の体が終わるので(笑)
私の体が終わるともれなく子どもの体調にも影響するので、寝るようにしています。
0時を超えると勝手に眠くなっちゃう体で…眠くなると絵がうまくいかないので、0時には寝ます。

プライベートパーツについて
読者さんにも知ってほしい!性教育にも重要な「プライベートパーツ」って一体なに?

前田編集長:
33話でプライベートパーツについて描かれていますが、なぜそのようなテーマでストーリーを描こうと思ったのでしょうか?

明太子マン先生:
プライベートパーツに関しては元々子どもがいるので興味がありました。
2歳3歳ぐらいになったら、お尻を触っていけないのか、みたいな。お尻気持ちいいんだけどな~と思ったりもして

プライベートパーツとは
※外部の記事に飛びます。
プライベートパーツとは、親でも触ってはいけない、体にとって重要なパーツのことです。性教育において、この部分は他人の大切な部分であり、みだりにふれてはいけないと幼い頃から教育することが重要です。


明太子マン先生:
そういう話があって、家族にも「嫌だろうから2歳以降はお尻はさわっちゃいけないよ」と伝えています。
元々プライベートパーツについてはストーリーに入れるつもりはなかったのですが、そういうこともあった中でネームを考えていた時に、子どもから大人に変わるというシーンがあり、『彼氏がゾンビになりまして』でもプライベートパーツについて入れることにしました。

前田編集長:
元々プライベートパーツについてはご存知だったのでしょうか?

明太子マン先生:
Twitterで知りました。
子育てについてまとめている記事をツイートしているアカウントをよく見ていて、そこから知りました。
子どもが大きくなってからもプライベートパーツのことを知らないでいると、「触るのは愛情表現なんだ」と間違えて覚えられちゃうそうで…。
それだけは絶対に嫌だと思って、プライベートパーツという概念をインプットしました。子供が嫌な思いをするのは絶対に避けたいので。

前田編集長:
僕は恥ずかしながらプライベートパーツについて知らなかったのですが、『彼氏がゾンビになりまして』の33話で知ることができました。

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自身の触っては行けない箇所を伝え合うシーン
『彼氏がゾンビになりまして』【第33話】 会話が大事!
では、プライベートパーツをテーマにしている。

明太子マン先生:
プライベートパーツ自体を知らない人はやっぱりいると思うので これで知ってもらえたらなと思います。
あと漫画に描くことによって気をつけようという自戒にもなりました。また、読者さんにもこれを期に「嫌な時は相手に伝えてもいいんだよ」というのを知ってもらえたらいいなと思います。

前田編集長:
主人公(紅ちゃん)が「私のタッチNGはここらへん」というのがいいですよね。

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明太子マン先生:
そうですね。 (主人公は)相手に言わせるんじゃなくてまずは自分から言う子だなと思いました。 どこが触って嫌かっていうのを自分がまず最初に言ってから人に言ってもらいやすくするというキャラだと思うので。

前田編集長:
そういったテーマを取り入れていくのはすごくいいですね。
ちなみに毎回のテーマはどのように編集者と決めていくのですか?

明太子マン先生:
私がネームを投げて、編集さんにみていただくのですが、子育てをしているというのもあり、返信はテキストベースでいただいています。
すごく詰まった時にお電話させていただくという感じです。

前田編集長:
自身でネームの内容は決められているのでしょうか?

明太子マン先生:
はい!自身で決めていて、感覚で描いています。
元々キャラクターが好きなので、キャラクターを動かすことをメインに考えています。
『彼氏がゾンビになりまして』はオネエがネガティブ、紅ちゃんがポジティブという組み合わせなので、その二人がどう動くか、という点を中心にストーリーを作っていますね。

前田編集長:
キャラクターが動いていくというのはすごくいいですね。

漫画家として辛かったことについて
うまくいかない時は、一旦離れるのが先生流!

前田編集長:
漫画家として辛かったことなどございますでしょうか?

明太子マン先生:
そうですね…。絵がうまくいかなかったことですかね。 それと締め切りに追われているときですね。いつもですけど。

前田編集長:
なるほど。絵がうまくいかないというのは、どの段階のことなのでしょうか?

明太子マン先生:
ペン入れですね。 私ペン入れがすごく嫌いで、今まで描いてきた漫画とかもほとんどしたことなかったんですよ。
ペン入れしたくないという気持ちから入ると、うまくいかないことが多々あります。
やっぱり、自分が描きたいオネエの表情と、自分の絵が追いつかないことがよくあって、その時は「あ〜〜!」となりますね。
そういった時は一回筆をおいて離れることにしています。

前田編集長:
一回離れたあと、次のタイミングでやり直すことはあるのでしょうか?

明太子マン先生:
一回筆をおいたら、その日のうちはもう手はつけません。次の日にまたリセットして描き始めますね。
基本的に一日がリセットだと思っているので。その時は昨日の自分に「なんで昨日描かなかったんだよ」と思うこともあります(笑)
筆を置くと結構スムーズに原稿が終わったりすることもあるので、意外とその心が折れそうになった瞬間はイメージで残らないですね。

前田編集長:
絵をかくのはすごく大変ですよね。ペン入れがすごく大変というのはわかります。

明太子マン先生:
私自体があまり柔らかい線を描けなくて…。ラブコメなので、多少ラブシーンは柔らかく描かなきゃいけないと思っているのですが、いつも「線硬いな〜」と思いながら描いています。

前田編集長:
GANMA!で漫画を描く前はどうされていたのでしょうか?

明太子マン先生:
ほとんど個人で創作活動してました。
たまにお仕事でイラスト書いたりとかはしていたのですが…。それも介護のイメージイラストだったので、あまり漫画の仕事メインではなかったですね。
漫画のお仕事につながったのは、コミティアでGANMA!の担当編集さんと出会ってからです。
コミティアに持ち込みに行ったときは、自分の中で何が描きたいのかが固まっていなくて…どうしようと思っていた時に友達から
「もしかしてラブコメなんじゃない?」といわれ、「そうやん!」となり、ラブコメを描き始めました。
その時に描いたものが先程お話した「僕らはまだまだ未完成」でした。 そこで路線が決まりましたね。
私の中で「25歳までに担当がつかなければ漫画をやめる」と決めていたので、GANMA!の担当編集であるK沢さんとコミティアで出会わなければ、漫画はやめるところでした。最後のチャンスをもぎ取ったという感じです。

前田編集長:
K沢との出会いはコミティアだったのですね。コミティアで出会ってGANMA!でデビューした、という方は実は結構多いです。

マンガ家を目指そうと思ったきっかけについて

前田編集長:
漫画家を目指そうと思ったのはどんなきっかけでしょうか?

明太子マン先生:
高校3年生の進路のときです。 大学に行きたくなくて……。
元々絵を描くのが好きだったのですが、カラーイラストがあまり得意でなかったので当時は絵の仕事をしよう、とは思っていませんでした。
ですが、お話や自分のキャラクターを作ることはすごく好きだったので、だったらマンガかな…?と思い…。
そこからマンガの専門学校に行くことに決め、この学校に入るならマンガ家になろう!と決心しました。

前田編集長:
やりたいことできるのはいいことですね。 そこからちゃんとマンガ家になっているのがすごいと思います。

最後に明太子マン先生から読者にむけて一言 お願いいたします。

明太子マン先生:
たくさんある作品の中からいつも読んでいただきありがとうございます。
『彼氏がゾンビになりまして』の読者さんたちは、「紅ちゃん」や「蒼先輩」などキャラクターの名前を呼んでいただける方がとても多いので、漫画家としていつも救われております。キャラクターへの想いが一番強いので、ぜひ これからも呼んでください!

特別出演:担当編集者 K沢氏からも一言
K沢氏:
明太子マン先生は、辛いことがあっても、作中の「紅ちゃん」や「蒼先輩」のように乗り越えていける作家さんだなと思っております。
明太子マン先生の強さみたいなものが、最近作品の中でもすごく出てきているな〜と思うので、未読の方は是非読んでいただきたいです。

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